武田二十四将陣中評定之図
貞心尼筆 良寛禅師戒語
良寛 ハリコロバシ

『良寛禅師奇話』を著した解良栄重が、三条の宝塔院に泊まって、隆全和尚について手習いをしていた時に、たまたま良寛も来て泊まっていた。栄重は良寛に「わたしに菅原道真公の画を書いてください。そうしないとこのものが化けて、今晩良寛様のところにいきますよ」と持っていた玩具のハリコロバシ(三角達磨)を見せた。良寛はハリコロバシを見て怖がった風を見せ、菅原道真の尊号と神詠を書いて栄重に与えた。栄重は後年、良寛の「おきあまがりこぼしに題す」という詩を読み、自分の行いを恥じたという。
本図は、大正7年に東京で開かれた「良寛禅師遺墨展」に出品され、初めて世に紹介された。その15年後、西蒲原郡国上村大字中島の大蓮寺で開かれた「寛師遺墨展」に出品されたが、この後一般に公開されることはなく、まぼろしの作品になっていた。
良寛の作品は墨一色で書かれることが多いが、この図は薄墨、朱が使ってあり、この点でも珍しい作品と言える。
定 価 本体71,297円+税・送料無料
寸 法 縦161.5×37.4cm(本紙寸法90.0×27.0cm)
表 装 風帯付三段大和表装(上・下、薄茶地玉入りぱー。中廻し、薄藤色地花紋唐草緞子。風帯・一文字、朱褪地花鳥唐草紋金襴。軸、黒溜塗軸)
用 紙 本紙、楮和紙。裏打紙、手漉き美濃紙。
印 刷 本紙、カラーオフセット多色刷。桐箱、シルクスクリーン印刷。
箱 桐箱、府中産上柾目印籠蓋。外箱、タトウ箱。
解説書つき。