越後平野のなりたちⅠ
新田義信 著
B5判/並製/160頁/定価2,640円(本体2,400円+税10%)/送料310円
ISBN4-8221-0213-0 C3044
2006年10月発行
日本考古学会の権威の森浩一氏は、「物理学の方法を援用すると弥生時代が古くなるというような報道には興味がわかないといえば無責任のようだが、所詮『発見』のたぐいは、研究にもとづいたものであっても、仮説が出されたにすぎない。仮説は年月がたつ間に、議論されたり検証されたりして、消える仮説は消え、数少ない仮説が学説へと裏付けられていく」と述べております。
まだ十分考察されていない点はありますが、越後沖積平野二万年の変貌史を、物語風に著してみました。問題点の提供に少しでも役立てば、これほどうれしいことはありません。(「はじめに」より)
【目 次】
一部 越後平野はどのようにしてできたか
一 地震・津波・海面変化/二 越後平野を裸にする/三 海進・海退と堆積物の「瓦重ね」/四 波のはたらきと越後平野/五 越後平野の沖積層と層序/六 越後平野はどのようにしてできたか―信濃川流域―/1 沖積層下部層(白根層)/2 沖積層中部層(味方層 その一)/3 沖積層上部層(味方層 その二)/4 沖積層最上部層(味方層 その三)/七 越後平野と沿岸砂州との関わり/八 各層序の年代の算定―テフラと堆積速度から―/九 白頭火山テフラと分布
第1部 越後平野の沖積層
I はじめに/II 越後平野沖積層の研究史概要/III 越後平野沖積層の基底―緒立層―/IV 白根層(沖積層下部層)―晩氷期・海進期(前期)―/V 味方層―沖積層中部層・沖積層上部層・沖積層最上部層―/VI 黒埼層(黒埼砂層・砂体)―新たな沿岸砂州の継続的形成と推移―/VII 越後平野形成の諸現象/VIII 信濃川下流域の低湿地/IX 越後平野沖積層と遺跡/X 越後平野と潟湖/XI 越後平野沖積層の対比/引用文献・参考文献
著者紹介
昭和8年、北蒲原郡笹岡村に生まれる。新大教育学部卒業後、大江山小学校教諭を振り出しに、下越地方の小・中学校に勤務した。その間、県立教育センター地学研究室・下越教育事務所に17年間勤務し、平成6年、亀田町立亀田小学校校長を最後に退職。