新編 越佐奇人伝

大星光史
A5判・218頁・上製・カバー付・定価2,640円(本体2,400円+税10%)

送料370円・ISBN4-8221-0186-X
2002年5月


越後・佐渡の奇人百余人。その生と死

武士・学者・医師・尼僧、絵かき・俳人・書家、物好き・大工の女房など、あらゆる階層の奇人が繰り広げる人間絵巻がここにある。

私は永い間、隠逸や老荘の世界、その思想に生きる人々を時の移り変わりにしたがって調べていき、この世界の歴史が、ひどく金と名誉、生存競争の勝者によって造られたものであることに気づいた。というより、表立った歴史、書物がことごとくそのようにしてつくられたものであったと痛感した。しかし、真実の歴史は、他にあるのではないかとも。表向きの歴史とてこれを築いた人々は“隠れた”世に知られざる人々だったのではないかとも。本物の文化、人間を支えて来たのは、無名の生存競争外の、金と名誉を持たぬ人々だったのではあるまいか。(「はじめに」 より)

【小伝の一部】
鈴木文台 大脇春嶺 鈴木牧之 広川晴軒 井上井月 山本老迂斎 青柳剛斎 木曽恵禅 沼河比売 板額 初君 貞心尼 山本以南 新木小自在 佐藤玄良 佐藤忍字翁鳳冠 肥田野築村 雪村友梅 万元 海雲 観密 宮徐徐坊 石川侃斎 渡辺自適 上杉謙信良寛 河井継之助 三島億二郎 小林虎三郎 杉本鉞子 内田八重 大倉喜八郎 山本五十六牧口常三郎 小野塚喜平次 入沢達吉 石黒忠悳 井上円了 土田杏村 小川未明 吉田東伍高嶋米峰 堀口大学 西脇順三郎 坂口安吾 有田八郎 田中角栄   など100人以上の奇人登場


【著者略歴】

昭和8年、新潟県中頚城郡に生まれる。長岡高等学校を経て、東北大学文学部を昭和31年卒業。県内の県立高等学校で勤務、のち、富山医科薬科大学に移る。退官後、自然治癒、伝統医療、癒しの文芸に携わる。日本文芸研究会、現代俳句協会、日本歌人クラブ、日本医史学会会員。医学博士。著書は『漂泊俳人の系譜』『良寛』『井月』ほか。