峰の桜 ―おやひこさま物語―


大森利憲・文/三浦梨加・絵
B5版/40ページ/表紙カラー/定価本体1,524円+税
ISBN4-8221-0189-4 C0714


 「ゆくぞお」それを合図に、男たちの列はゆっくり歩み出した。
 今から2600年のむかし、熊野(和歌山県)の美林に囲まれた集落でのできごとである。これが、今の新潟県、越ノ国のはじまりであった。列をひきいた男の名は、天香山命(あめのかごやまのみこと) という。
 熊野からおくだりになり、越後の人たちに漁業や塩作り、農業、製鉄などを教えた禰彦神社の御祭神、天香山命。そして、熊野からはるばる夫をたずねて来た妃、熟穂屋媛命(うましほやひめのみこと)の悲しい宿命。盗賊に盗まれた御神宝を探しに流浪をつづける雅彦(わかひこ)。越後一ノ宮おやひこ様にまつわる伝説をもとに書き下ろされたこの本は、禰彦神社を知るための格好の読み物である。
 巻末の「禰彦の神さま」は、長香山命の妃とご子孫の鎮座地を紹介してあり、ご参拝の手引きに絶好である。


【著者紹介】
昭和13年、石川県に生まれる。昭和37年国学院大学卒業。函館八幡宮、神社新報記者、神社本庁渉外部長などを経て、昭和60年彌彦神社権宮司、平成8年神社宮司に就任。